婦人科腹腔鏡手術

腹腔鏡手術はお腹に孔をあけて内視鏡にビデオカメラを付けて、ビデオモニター画面を見ながら手術を行います。
当教室は婦人科腫瘍に対する腹腔鏡手術に特に力を入れており、塩田教授はその黎明期1994年より腹腔鏡手術を執刀しています。現在、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医は3名在籍しています。

| 腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は患者さんへのメリットは傷が小さいことだけではなく、手術中出血量が少なく、早期の社会復帰が果たせます。
モニター画面を見ながら行う手術です。手術技術の習得には、開腹手術に比べて長い時間がかかります。

腹腔鏡手術の種類

腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術

卵巣奇形腫、卵巣チョコレート嚢胞など卵巣の腫瘍のみを摘出します。

腹腔鏡下卵巣卵管摘出術

卵巣腫瘍などで卵巣と卵管を摘出します。

腹腔鏡下子宮筋腫核出術

子宮筋腫のみを摘出して、妊孕能を温存します。

腹腔鏡下子宮全摘術

子宮は摘出しますが、卵巣は温存することができます。

腹腔鏡下仙骨腟メッシュ固定術

子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤に対してメッシュを挿入し、症状を改善させます。

診断的腹腔鏡手術

異所性妊娠、卵巣腫瘍や原発不明腫瘍の場合には、お腹の中を覗いて診断します。

腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術

早期子宮体癌に対して子宮摘出とリンパ節郭清を行います。

婦人科ロボット手術

ロボット外科学会国際B専門医(日本で1名)保有の太田啓明准教授が着任し、 davinci Xi(手術支援ロボット)を使用した手術を積極的に行っています。手術支援ロボット手術の特徴は術者がsurgeon consoleに座り、3D視野と手振れ補正のもと正確な手術を行うことができます。患者さんへのメリットは腹部に設置されるポートが、リモートコントロールによる動かないために、トロッカー創部の挫滅が軽減され、疼痛軽減につながるとされています。

| ロボット手術は挿入部が動かない
| 体形に左右されないロボット手術

婦人科ロボット手術は1週間に5件、腹腔鏡手術は6件現在行っています。より多くの患者さんに手術待機期間を短縮し、ロボット手術を受けて頂くことが可能です。腹腔鏡技術認定医・ロボット外科学会専門医が外来で入念な術前診断のもと手術を計画します。

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ロボット単純子宮全摘術

良性子宮疾患(子宮筋腫、子宮腺筋症など)に対してロボット子宮全摘術を開始いたしました。手術の費用(保険点数)は変わりません。当院では従来腹腔鏡と比べ傷の大きさや数が同じになるように工夫しています。大型の子宮筋腫、既往手術歴、癒着症例にも対応が可能です。

| ロボット単純子宮全摘術

ロボット子宮体癌手術

当教室では岡山県で唯一、婦人科腫瘍専門医と腹腔鏡技術認定医のダブルライセンスを習得している塩田充教授と佐野力哉講師の2名が在籍しています。今後はロボット手術専門医の太田啓明准教授とダッグを組んで、子宮体癌に対して腹腔鏡手術から、6月より順次ロボット子宮体癌手術に移行します。ロボット手術はロボットアームが腹壁を持ち上げるため、患者さんの体形に左右されず安全な手術が提供できます。

| ロボット子宮体癌手術

ロボット仙骨腟メッシュ固定術

2018年の日本人の平均寿命は、女性が87・32歳となりました。骨盤臓器脱・尿失禁の頻度は4人に1一人、と高頻度でありQOLを著しく低下させてしまいます。
腹腔鏡でメッシュを固定するは2018年4月から保険適用になり、2020年4月からはロボット支援仙骨腟メッシュ固定術も新たに保険適用になりました。

| ロボット仙骨腟メッシュ固定術